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グリーン フィールドの風景

Climate

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マルベリーでは、2035年までに温室効果ガス(GHG)の排出量正味ゼロを達成するという大きな目標を掲げています。この取り組みは、当社が所有または管理する事業に伴い直接的に排出する温室効果ガス(Scope 1、Scope 2)に加え、当社の事業活動に関連するものなど、間接的に排出するガス(Scope 3)も対象としています。

Science Based Targets(SBT:科学的根拠に基づく目標)

2024年4月、排出量削減に向けてマルベリーが掲げる短期目標はScience Based Targets initiative(SBTi)により認定され、ラグジュアリーの核心にサステナビリティを据えた事業を構築する継続的な取り組みが認められました。SBTiの認証は、マルベリーの目標が、最新の気候科学と、1.5度目標に向けての道筋に沿っていることを確証するものです。

マルベリーが認証を受けたSBTは以下の通りです。

  • マルベリーは、2019年度を基準として、2028年度までにScope 1、2、3の温室効果ガスの絶対的排出量を37.8%削減するよう取り組みます。
  • FLAG:マルベリーは、2019年度を基準として、2030年度までにScope 3のFLAG関連温室効果ガスの絶対的排出量を33.3%削減するよう取り組みます。*
    • また、マルベリーグループplcは、2025年12月31日を達成期限とし、主要な森林リスクコモディティにおいて、森林破壊につながる活動を一切行わないことを約束します。

マルベリーの提供商品における皮革の重要な役割を鑑み、また再生的な農業活動の支援に対する当社の取り組みを踏まえ、SBTiの森林・土地・農業(FLAG)に関するガイダンスを活用し、具体的なScope 3の目標値を設定します。

当社は以前にも、全世界で活動する気候コンサルティング業者であるCarbon Trustの協力のもと、SBTを設定し、毎年のカーボンフットプリントを算出しました。

このSBTiによる認証は、マルベリーの事業を再生可能な循環型モデルへと変革することを目的として2021年に始動した、「Made to Last」のマニフェストに則った取り組みを進める中で得られたものです。この取り組みでは、2035年までに温室効果ガスの排出量正味ゼロを達成することを目標としています。

*目標には FLAG の排出と除去が含まれます。

マルベリーのカーボンフットプリント

科学的根拠に基づいた短期目標の発表にともない、当社では社内における二酸化炭素関連のデータ収集の正確性向上を優先し、トラッキング、削減モデルの形成、および事業全体において脱炭素を遂げる主要な機会の特定に役立つカーボンデータ管理システムに投資しています。基準年である2019会計年度のカーボンフットプリントは、2021年度のサステナビリティレポートで公開されています。

英国内における当社の活動および購入された皮革に関連するすべての排出ガスは、環境チャリティーパートナーであるWorld Land Trustから取得した、認定済みのカーボンクレジットを通じて相殺されています。また、同団体の「Carbon Balanced」プログラムとのパートナーシップにおいては、グアテマラのカリブ海地域を対象としたREDD+プロジェクトをサポートし、これまで大気から4740.64トン相当の二酸化炭素を取り除きました。しかし、これだけでは長期的な解決策にはなりません。当社では、温室効果ガスのフットプリントを減少するイニシアチブも立ち上げており、この取り組みの一環として、環境再生型農業に基づいたサプライチェーンの構築と、再生可能エネルギーへの投資も行われます。

2019年以来、当社では英国内の工場(チルコンプトンのThe Rookeryと、サマセットのブリッジウォーターにあるThe Willows)から排出されるすべての二酸化炭素のオフセットを実現しています。去年はすでに、英国内での温室効果ガス排出量を、Scope 1と2において9.5%減少しました。The Willowsには、この工場で毎年必要とされる電力の約60%を発電できる360kWの太陽光発電パネルを新たに設置しており、今後もガスの排出量削減をさらに進めていく予定です。

このような取り組みを進めるにあたり、事業運営方法の再構築が必要となります。そのため、当社では2022年にEcologiとのパートナーシップを立ち上げ、従業員のネットゼロへの取り組みを推進しています。資金を調達し、世界各地で植林活動を行うことにより気候変動対策に取り組むEcologiの活動を通じて、マルベリーでは新しい社員が1名入社するごとに木を1本植えるという取り組みを行い、これまでに1350本の植林を実施。これにより、出張時に使用するフライトから排出される二酸化炭素を相殺し、568トン分のカーボンオフセットを行いました。

用語集

  • Scope 1および2の排出ガス:マルベリーが所有する、または直接運営する施設からの排出ガス(工場、オフィス、店舗の暖房、冷房、照明など)。
  • Scope 3の排出ガス:マルベリーの活動に間接的に関連する排出ガス(製品に使用される皮革をなめす際に発生する排出ガスなど)。
  • オフセッティング:事業活動で発生する排出ガスを相殺するために使用される、炭素貯留ソリューションへの投資(土地再生や植樹など)。
  • インセッティング:自社サプライチェーン内において、環境再生型農業や再生可能エネルギー算出など、気候変動緩和戦略に投資すること。

サプライチェーンパートナー

マルベリーは、バッグの約50%を製造している英国内の自社工場2軒のほか、長期的な提携を継続してきた、英国、イタリア、トルコ、中国およびベトナムの厳選されたグループ企業から完成品を調達しています。原材料の調達先はより広範に及び、皮革およびファッション産業においてて、当社の高度な基準と、進歩し続ける新製品開発プログラムを支えるのに十分な伝統と技能が確立されている国の企業と提携しています。

マルベリーは、「農園から完成品まで」の透明性が、環境再生型のビジネスモデルの根幹をなすと信じています。この信念に基づき、以下の製品カテゴリーについて、ティア1およびティア2サプライヤーのリストを公表します。皮革製品、ソフトアクセサリー、サングラス。

このリストは以下のボタンをクリックしてご覧いただけます。

2023 サプライヤー リスト

廃棄物

当社の製造技術では、レザーの切れ端が生じるのを最小限に抑えるために、バッグ一つひとつに対し非常に入念に型紙を配置しています。また、物や素材の再利用を専門とするスクラップストアと協働しながら、廃棄素材を地元の学校や大学、工芸グループなどに供給しています。このようにして、地域のコミュニティでは、本来ならそのまま廃棄されていた上質な素材を使用して美しい作品が生み出されます。

さらに、サマセットにある工場でも、「Zero Waste to Landfill(埋め立て廃棄物ゼロ)」の取り組みを行うプロバイダーと協働することで、再利用またはリサイクル不可能な廃棄物からエネルギーを回収しています。これは、従来は埋立処分されていたリサイクル不可能な廃棄物を、代わりにエネルギー回収施設で処理し、電力に換えてナショナルグリッド(英国の送電・ガス供給事業者)に供給するといった取り組みです。

マルベリーは商品廃棄を一切許容しないアプローチをとっており、割引価格での販売や、アウトレットストア、スタッフセールといった方法で、余剰品や欠陥品の解消に努めています。マルベリーでは第一に、循環型ビジネスモデル実現の主軸として、修理、再生、再利用を促進しており、製品のデザインや製造過程だけでなく、お客様に提供するサービスにもこうした施策を取り入れることで、製品寿命の延長に真摯に取り組んでいます。

当社では、サプライチェーンおよびオペレーション全体において、梱包材が環境に及ぼす影響の評価と軽減に取り組んでいます。これには、店舗で配布するショッピングバッグや、サプライヤーから届く配送物などが含まれます。ブランドのシグネチャーであるマルベリーグリーンのパッケージは、使い捨てのコーヒーカップを美しい包装紙やショッピングバッグへ変化させるという、革新的なカップサイクルの技術により作られたものです。製紙工場ジェームス・クロッパーが開発した「カップサイクリング」と呼ばれる革新的技術を用いることで、1年間で廃棄予定の紙コップ405万個超をリサイクルし、マルベリーグリーンの梱包材に再利用しました。